お金の流れを数字で読む
2016.5.31(火)
会社経営の第一は「売る」こと。「とにかく
売らないことには利益が出ないのだから、数字
の勉強などする暇があったら1個でも1円でも
多く売ることに注力すべきだ」
上記の様に考えて、売上にのみ関心を示し、
他の経営数字を理解しようとしない、勉強し
ようとしない社長さんが、存外に多いように
思われます。そして、数字に疎い社長ほど、
この傾向は顕著です。
我々のような中小・零細企業の社長は勉強
する時間がないほど忙しくしている人が多い
ので、私もこのような心理がわからないでは
ありません。
しかし、本当に売上を伸ばすだけで経営は
安泰なのでしょうか。むしろ数字を見ない・
理解しようとしない社長が、無我夢中に売上
を伸ばした結果、会社が傾いてしまったとい
うケースが意外に多いです。
売上が伸びているのに、なぜ経営が苦しく
なるのでしょうか。例えばある事業の利益が
100だったとして、半分は税金なので残り
は50、さらに25は予定納税で必要なので
計算上は25が残ることになりますが、そこ
に借入金の返済や在庫の増加が加わりますの
で実際に使える資金はありません。
それでも利益が出ているならいいかという
とそれは間違いです。利益率が40・50%
ならいいですが、10・20%では、投下資本
の回収がなかなかできません。加えて、売上
の回収サイトが長かったりすれば、いくら商品
が売れても、売れれば売れるほど売掛金が膨
らみ、次第に全社の利益を上回ってしまう事
になります。
売れるから、自然と仕入れも増えます。
売上は上がりますが、サイトが長いから売掛金
の具現化が遅れます。出る方ばかりが増えて
キャッシュがなかなか入ってこないので、当然
運転資金が不足してきます。
結果、売上が上るほど資金繰りは苦しくなり、
その内撤退せざるを得なくなります。商品は売
れているのに運転資金が不足し、経営を圧迫
してしまいます。
売上が上がっても、支払手形を発行し資金
繰りを続ければ綱渡りできるかもしれません
が、何らかの事情で売上が下がったら、綱渡り
の綱も切れてしまう可能性が(大)です。
支払手形を発行している会社は、売上ダウン
が命取りになってしまう。つまりは倒産です。
数字が分かる社長なら、そうなる前に事業を
縮小あるいは撤退させたり、資金繰り対策に
何らかの手を打って危機を回避することも
出来る。しかし、「売れているから心配ない」
と言って呑気にかまえていると、そのリスク
も見えなくなってしまうのです。
これでは社長の務めは果たせません。
では、また。・・・・
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本日の言葉の定義・・・・・「 戦力 」
分散してはいけない。どこかに集中させるも
のです。総合力では大企業に負けるので、あ
る一点に集中させる。
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